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蓮見再生医療研究所外観

ハスミワクチンは、がんの免疫療法の分野において草分け的存在です。1946年に蓮見癌研究所(現:蓮見再生医療研究所)において開発され、1948年に臨床応用が開始されました。免疫学自体が確立されていなかった当時において、“がんに対する自己免疫を、ワクチンで活性化させることでがんを治療する”というコンセプトは、日本の医学界ではまったく受け入れられませんでした。

しかし、ヒトの腫瘍や免疫に関する知識が蓄積され、「自己細胞に由来するがん細胞であっても、免疫細胞はがん抗原を目印として異物とみなし、がん細胞を排除できる」、「がん抗原を認識した免疫細胞は、その抗原を持つ他のがん細胞も攻撃できる」といったことが明らかとなった今日では、「がん免疫療法」という概念とその有効性は基礎科学的にも臨床医学的にも広く認められ、多くの医師ががんの治療に免疫療法を活用しています。

カートリッジ型ワクチンの製造

1988年以降、現体制のもと、がんの種類ごとのがん抗原ライブラリーの開発に力を入れ、ハスミワクチンの適用となるがんの範囲拡張を図りました。1999年には米国に蓮見国際研究財団を設立し、世界の研究者と交流を深めることで、先進のがん免疫療法の研究開発とその臨床応用を展開しています。同年、トーマス・ジェファーソン大学との共同研究により樹状細胞ワクチンを開発し、その翌年にはメリーランド大学との共同研究においてハスミワクチンの生理活性を証明しました。

2000年代に入ると、リンパ球や樹状細胞といった免疫細胞を利用した細胞療法の研究開発を進めました。2005年には、放射線療法や化学療法といった一般療法と、樹状細胞による細胞療法を組み合わせた「治療型ワクチン」として、プロトタイプのHITV(Human Initiated Therapeutic Vaccine)療法の開発に成功しました。それまで予防治療が主な働きであったワクチンに、数ヶ月でがんを収縮させる働きを加え、一般療法だけでは治癒の見込めない末期の進行がんの治療に光明を与えました。この治療法は、現在に至るまで改良が重ねられ、メリーランド大学やドイツのエアランゲン大学との共同研究で、その作用機序や有効性について研究が進められています。

2013年には、研究施設を調布から阿佐谷へ移転し、さらに充実した研究体制を整備しました。 研究範囲は、"がん"にとどまらず、免疫が関与するさまざまな病態に及んでいます。同年、ニキビの原因の1つであるアクネ菌を免疫の力で除去することを目的とした「ニキビワクチン」の開発が進み、アクネ菌の膜タンパク質をベースに人工合成した抗原ペプチドを使用したワクチンとして世界各国で特許を取得しています。

また2015年には、再生医療等安全性確保法に対応するため、研究所内にあるクリーンルームについて細胞培養加工施設の登録申請を行い、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)による実地調査を経て、特定細胞加工物の製造許可を取得しました(施設番号:FA3150018)。この施設では、関連クリニックで治療に使用する免疫細胞や幹細胞を製造しています。

クリーンルーム

2022年からは、蓮見癌研究所から蓮見再生医療研究所に名称を変更して、従来からの免疫療法に加えて造血幹細胞や間葉系幹細胞などを利用した、再生医療分野の研究にも力を入れています。

世界のあらゆる先進技術を駆使し、一人でも多くのがん患者さまが、がんを克服できるよう、「あきらめない治療」の根幹として研究開発を推し進めることが、蓮見再生医療研究所の使命です。

人材募集

<掲載:2023年10月25日>

東京リサーチセンター

米国法人蓮見国際研究財団(Hasumi International Research Foundation)の日本における研究拠点である東京リサーチセンターでは、世界各国(アメリカ、ドイツ、マレーシア、他)の研究機関と協力し、免疫や幹細胞に関する技術を臨床に応用するための研究を行っています。また、同財団傘下の医療施設である医療法人社団ICVS 東京クリニックと連携し、未成熟樹状細胞や活性化T細胞を用いたがん免疫療法(HITV療法)について、学術的なサポートや世界各国の研究機関・医療施設への技術移転を担当しています。

研究実績

  • サイクリン依存性キナーゼ4/6阻害薬の治療を受けた再発乳癌全身転移患者の長期完全寛解例の症例報告に関する論文がJournal of Medical Case Reports誌で発表されました。(2023年5月)詳細はこちら
  • HITV療法の治療を受けた患者の長期追跡調査と、がん抗原に対する免疫応答を確認した論文がMedical Research Archives誌で発表されました。(2023年4月)詳細はこちら
  • 長期生存を達成した進行乳がん患者(ステージIIIB)の症例報告に関する論文がTranslational Cancer Research誌で発表されました。(2022年10月)詳細はこちら
  • 転移性ぶどう膜黒色腫に対するRNA搭載樹状細胞ワクチンの臨床治験(フェーズI)のデザインに関する論文がFrontiers in Immunology誌で発表されました。(2022年2月)詳細はこちら
  • β-グルカンの腫瘍に対する免疫応答増強効果に関する論文がInternational Immunopharmacology誌で発表されました。(2021年12月)詳細はこちら
  • 5-アミノレブリン酸(5-ALA)による抗腫瘍効果に関する論文がCancer Science誌で発表されました。(2021年7月)詳細はこちら
  • 乳房原発性の扁平上皮癌の患者の症例報告に関する論文がMedicine (Baltimore)誌で発表されました。(2018年9月)(PubMed)
  • 中性子捕捉療法を目的とした動脈内注射による選択的ホウ素投与に関する論文がBritish Journal of Radiology誌で発表されました。(2017年6月)詳細はこちら
  • 膵がん幹細胞株における低酸素状態と抗がん剤ゲムシタビン感受性の関係性に関する論文がAnticancer Research誌で発表されました。(2016年2月)(PubMed)
  • マウスiPS細胞を使用した制御性樹状細胞の作製と特性評価に関する論文がScientific Reports誌で発表されました。(2014年2月)(PubMed)
  • 進行がん患者に対する強度変調放射線療法(IMRT)と免疫細胞療法を組み合わせた治療(HITV療法)の治療結果に関する論文がOncoimmunology誌で発表されました。(2013年10月)(PubMed)
  • 樹状細胞/活性化T細胞とIMRTを組み合わせた治療(HITV療法)の進行がん患者に対する治療効果に関する論文がCancers誌で発表されました。(2011年4月)(PubMed)
  • 体外で培養されたNK細胞によるがん細胞株に対する細胞傷害活性に関する論文がJournal of Experimental & Clinical Cancer Research誌で発表されました。(2010年10月)(PubMed)
  • 進行がん患者に対する既存治療と樹状細胞の腫瘍内投与を組み合わせた治療法(HITV療法)に関する論文がAnnals of the New York Academy of Sciences誌で発表されました。(2009年9月)(PubMed)
  • 腎癌細胞株におけるβ2-ミクログロブリン遺伝子の変異とHLAクラスIの完全消失に関する論文がCancer Immunology, Immunotherapy誌で発表されました。(2009年3月)(PubMed)
  • 活性化されたT細胞の培養上清液(LCM)による樹状細胞の分化と成熟誘導に関する論文がClinical Immunology誌で発表されました。(2008年10月)(PubMed)
  • 単球由来の樹状細胞とCD40リガンドを発現する樹状細胞と活性化T細胞を組み合わせたがん免疫療法に関する論文がCancer Immunology, Immunotherapy誌で発表されました。(2004年1月)(PubMed)
沿革沿革
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アクセス
  • JR中央線・総武線「阿佐ヶ谷駅」下車 北口 徒歩10分
お問合せ先
蓮見再生医療研究所
〒166-0001 東京都杉並区阿佐谷北1-44-6
TEL 03(3338)0700
FAX 03(3339)7271

東京リサーチセンター
〒166-0001 東京都杉並区阿佐谷北1-44-6
TEL 03(3339)6507
FAX 03(3339)7271
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