医学界ががんに対する〝免疫の力〟を黙視していた時代–。私たち珠光会は、その人体を健康に保持する力にこそ、がんを消滅させる鍵があると信じ、半世紀以上にもわたり、がんワクチン=免疫療法の研究・開発、臨床への応用に取り組んでまいりました。

 近年、ようやく免疫機能に適切な処方を加えれば、がんの予防・治療に本来の力を発揮することが認められ、その有効性・重要性が世界的に注目されるようになりました。がんの根本的な消滅を目指すには、免疫力こそ必要不可欠であることが、科学的な根拠のもとに実証されつつあるのです。

 一方、そうした医学的な治療に等しく重要なことは、患者さまご自身のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生命の質)です。患者さまの生き方を尊重するためには何が必要なのか、その実現のために医師やスタッフができることは何か……。繰り返す自問の答えとして、わたしたちは、がんの予防だけでなく初期治療から緩和ケアまで、あらゆる面から患者さまをサポートすべく、1990年に「聖ヶ丘病院」、99年に介護老人保健施設「聖の郷」、2011年に「BSL-48クリニック」を開設しました。BSL-48クリニックに隣接した「紀尾井フォーラム」は情報発信基地として、多彩な活動に従事しています。また、2013年には珠光会診療所とBSL-48クリニックを統合し、未病・発病予防から再発予防・治療まであらゆるサポートを可能にしました。さらに、2014年には免疫療法のハブ・クリニックとして「K-101クリニック」を開設(後にBSL-48インターナショナルクリニックに改称)しました。2017年になり、BSL-48クリニックは「BSL-48珠光会クリニック」と名前を変え、かつて珠光会診療所があった阿佐ヶ谷の地に戻り、臨床と研究が一体になったクリニックとして稼働しています。K-101クリニックは海外を見据えた免疫療法の拠点として、「BSL-48インターナショナルクリニック」と名称を変更し、元BSL-48クリニックのあったニューオータニガーデンコートの1階に移転しました。

 がんを治すためにもっとも大切なことは、患者さまご自身が病態をよく理解した上で、自らが主体として治療に臨む、いわば、がんから自立することに他ならないのです。珠光会がその一助となることを願ってやみません。

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